悪意


けれど、この花壇の設計と施工の間に書かれた作品は『悪意』と名づけられていて、
こんな内容です。
「夜のあひだに吹き寄せられた黒雲が、山地を登る日に焼けて、
凄まじくも暗い朝になった今日の遊園地の設計には、あの悪魔ふうした雲のへりの、
鼠と赤をつかってやらう、
口をひらいた魚のかたちのアンテリナムかいやしいハーデイフロックスさういふものを
使ってやらう食ふものもないこの県で百万からの金も入れ結局魔窟を持へあげる、
そこにはふさふ色調であるなんて、意地悪で、陰険なやり方でしょうか。」